シニアが行うべきキャリアデザインとは?効果的なフレームワークも含めて徹底解説!
現代において、労働人口の減少は大きな問題ですが、その解決策の一つとして、シニア層の積極的な活用が挙げられます。
近年では、定年退職後も再雇用制度を利用して働き続ける人が増えていますが、給料の減少などの理由で、現役世代と同じモチベーションで働き続けられない人が多いのも事実です。
また、企業としては、定年まで会社に依存するのではなく、意欲的に働いて欲しいと思う一方で、なかなかそれを直接的に伝えることは困難です。
そのため、社内で今後の働きがいや組織の中でどのような存在であり続けたいかなどを考えてもらう機会を設けることは非常に重要です。それにより、社員一人ひとりモチベーションがアップし、実際の成果につながりやすくなります。
本記事では、シニア層にキャリアデザインが必要な理由、シニア層が抱えがちな課題感を明らかした上で、その解決策としてキャリアデザイン研修を紹介しています。
メリットや設計時のポイントから具体的なフレームワーク・プログラムを紹介しているので、実施のための検討材料としてご活用ください。
また、「シニア層の抱えているキャリアの悩みはなにか?」「シニア層向けキャリアデザイン研修を実施するときのポイントとは?」と疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
キャリアデザインを体感で学ぶ
研修プログラム
若手〜管理職など対象者と目的に合わせたキャリアデザインを講義とゲームで疑似体感しながら自ら考え、学ぶ企業研修です。自社に合わせたカスタマイズもあり、課題に合わせた社員のキャリア教育を実現します。
幅広い業界、階層別研修で実施いただいております。ぜひ研修の詳細をご覧ください。
そもそもキャリアデザイン研修とは
キャリアデザイン研修とは、社員がこれまでの経験を振り返り、現状を分析し、今後の人生を設計するための研修です。
一般的に、研修では以下のような内容が行われます。
・「キャリアの棚卸し」
・「自分の強みの理解」
・「周囲からの期待や役割の理解」
・「アクションプランの設定」
通常、研修ではワークシートを使用し、自分のキャリアプランを見える化していきます。
実施のタイミングとしては、役職や年齢の節目で行われることが多く、各年代で自分の人生を見つめ直し、次のステージへ進むためのきっかけとして活用されます。
キャリアの定義
そもそもキャリアとは、どのような意味なのでしょうか。
一般的にキャリアは、職業、職務、職位、経歴、進路という職業的な意味合いで捉えられることが多いです。
近年、人生全体を意味するキャリアの考え方が広がってきており、ライフデザインとしてのキャリアデザインが語られるようになってきました。
ここで重視されるのは、生涯を通じて自分がどうなりたいかということについて、より広い人生の観点から仕事と他との繋がりを考えることです。
キャリアデザインの定義
キャリアが「(職業・生涯の)経歴」を意味することから、将来の積み上げていくキャリアを設計することをキャリアデザインといいます。
キャリアデザインは、自分自身が主体となって自律的に考え、キャリアを構築する意味で使われます。
これは、会社や上司によってキャリアや働き方を決定されるのではありません。
ただ職歴を決めるのではなく、私生活や個人の価値観まで含めた、自分らしく働くために必要な仕事を設計することが、現代のキャリアデザインにおいて重要とされています。
シニア層にキャリアデザインが必要な理由
労働人口が減少する中で、シニア人材の活用は大きなテーマになってきました。
60歳以降でも就業する人が増えており、シニア層にさらなる活躍を促進することは、会社に求められていることの一つです。
シニア層に位置する社員一人ひとりも、自分のキャリアを会社に任せっきりにするのではなく、積極的かつ主体的キャリアデザインしていく必要性が出ています。
シニア層が抱えやすいキャリアの悩み・課題感とは
ただシニア層は、仕事に対する気持ちがゆらぎやすい時期でもあります。
具体的には、以下の悩みや課題感を抱えていることが多いです。
・環境の変化にモチベーションを維持できない。
・どう会社貢献したらいいのか分からない。
・会社にいられるだけでいいという感覚がある。
シニア層向けキャリアデザイン研修とは
会社としては、こうしたシニア層に対して、これまで培ってきたスキルや知識を職場で存分に活かしてもらえるように業務を任せていく必要があります。
ただし、年齢や立場が上だったシニア層に対して、現場の社員が仕事を依頼するのは、少し気兼ねしてしまう部分もあるかもしれません。
だからといって、依頼する業務が少なかったり、簡単すぎたりすると、本人のモチベーションを下げてしまう要因になりかねません。
そのため、キャリアデザイン研修で、シニア層一人ひとりに会社で働く目的や今後の人生の目標を整理してもらい、それを共有できる形にすることで、周囲からもサポートできる環境を整えることができるようになります。
シニア層にキャリアデザイン研修を実施すべき3つの理由
ここでは、シニア層にキャリアデザイン研修を実施すべき理由を3つにまとめてご紹介します。
今後、起こりうる変化が見えない
シニア層が悩みや課題感を抱える最大の要因は、今後起こりうる変化をリアルに捉えることができないためです。
仕事はもちろん、家族や自身の健康もこれまでと大きく変わるタイミングになります。
それを防ぐには、今後起こりうる現実について理解を深め、それをシミュレーションしてみることが重要です。
ロールモデルが少ない
現代のシニア層は、ちょうど役職定年後も複数年働く最初の世代になるため、ロールモデルが極めて少ないです。
そのため、会社に自分は何を残せるのか、どう貢献できるかをしっかりと考えてもらい、その後の世代に伝えていくことが重要です。
また、現在会社に勤めているシニア層にキャリアデザイン研修を行い、シニア層一人ひとりが自律的にキャリアを歩んでいく姿を見せることが、結果的に後世の社員にとってのロールモデルにもなります。
人生の折返しの捉え方
人生100年時代といわれる現代において、「人生の正午」を超え、どのように前向きなキャリアを歩んでいくかはシニア層一人ひとりにとって大きな課題となっています。
こうした状況に対して、会社は研修を活用し、シニア層への期待を明確に伝えていくことが有効です。
また、活躍しているシニア人材の情報や会社の活用できる制度も共有すれば、キャリアデザインを行いやすくなります。
シニア層向けキャリアデザインの3つのメリット
それでは、シニア層向けキャリアデザイン研修を行って期待できる効果とは一体なんなのでしょうか。
以下では、そのメリットについて解説していきます。
「今後の目標」と「これまで強み」の再認識
シニア層の仕事への向き合い方は、人によってさまざまです。
ワークライフバランスな働き方をしたい人、部下や後輩の育成に力を入れたい人、専門性を高めて横断的に仕事に向き合いたい人。
キャリアデザイン研修を行うことで、それぞれが今後の仕事人生をより前向きに捉えることができ、自分にとって価値のある人生を歩んでいく上での視点を養うことができます。
さらに、これまで培ってきた強みを、どのようにして活かすことができるかも考えるきっかけにもなります。
自分が思う自分と、他者から見た自分とでは、認識に違いがあることが多いです。
研修によって、意見交換を行うことで、自分が知らなかった一面を知ることができたり、逆に自分の強みを伝えるきっかけになります。
役職定年後の意識転換
役職定年を迎えると、これまでと仕事が一変することが多くあります。
例えば、管理職としてマネジメントを行っていた人も、定年で肩書が変わって、自分の部下が上司になることもあります。そのようなとき、不満や戸惑いを感じることはとても自然なことです。
役職定年後に求められるのは、フォロワー的な役割です。
これまで培ってきたスキルや経験を部下に伝えつつ、周囲をサポートしていくことが、シニア層に求められるリーダーシップの形であるといえます。
こうした意識の転換のきっかけとして、普段の業務から離れて行われる研修は効果的であるといえます。
仕事に対する新たな価値観の醸成
再雇用の場面では、これまで自分が培ってきたスキルや経験を活かすことができないこともあります。
だからといって、これまでのスキルや経験が全く役に立たないかといわれると、そうではないはずです。
これまでの経験が活かせない状況であっても、自分の強みが今の会社でどう活きるかと考える機会さえあれば、たとえ新たな業務であったとしても、モチベーションの高いマインドセットを作ることができます。
シニア層向けキャリアデザイン研修を設計するときの3つのポイント
では、いざシニア層向けキャリアデザイン研修を設計しようと思ったときに、注意すべき3つのポイントについご紹介します。
会社からの期待の明示
会社がシニア層に何を期待しているのかをしっかり考え、自社の取り組みと関連付けて上手く伝えていくこと必要があります。
求められる役割に取り組むきっかけづくり
シニア層に期待される知見や技術、ノウハウの伝承という役割を理解してもらい、ワーク等を通した体感的な理解を促すと効果的です。
心身ともに健康で働く方法の共有
健康寿命は伸びましたが、やはり身体は衰えていきます。どのようなバランスで仕事を行っていくか、ワークライフバランスの観点も含めることが重要です。
シニア層向けキャリアデザイン研修に効果的なフレームワーク『Will・Can・Must』とは
キャリアを考える際に使われるフレームワークで、「Will・Can・Must」があります。
この3つの軸で自分の強みや志向性を整理することで、自分にとっても、他者にとっても、わかりやすく伝えやすい形にすることができます。
・Will:自分は将来的に何をしたいのか
・Can:自分の強みは何なのか
・Must:自分は何を求められているのか
自分の強み(Can)を活かして、会社や周囲から求められること(Must)を満たしつつ、自分の目指したいもの(Will)の実現に取り組むことが、このフレームワークを活用することで明確化されます。
シニア層向けキャリアデザイン研修に効果的なボードゲーム型研修『CAREER MAKER』とは
キャリアデザイン研修の手法としてゲーム型研修をおすすめしましたが、それを一から設計することは容易ではありません。
そこで、以下では、弊社研修サービス「CAREER MAKER」についてご紹介します。
「CAREER MAKER」では、インプットとアウトプットを繰り返すことで、現代に必要なキャリアデザインを学びます。
より具体的に、本研修では、キャリア=人生全体 と捉え、“仕事”だけでなく家族、健康、余暇などのバランスも考えます。
本研修は、「楽しんでいたら学んでいた」と思えるキャリアデザイン研修になります。
リアルな疑似体験でキャリアを自分ゴトに
講義やゲームは20本以上の論文/文献をもとに作成しています。まるで自分の別の人生を体験しているような感覚でより当事者意識をご提供します。
受講者同士や会社でキャリア観を共有
研修中、受講者同士で学びを共有します。他者の「新たな視点」や、同僚の「共感」などで、チームとしてのキャリア意識が向上します。
全国から参加できるオンライン開催可能
体感研修ですが、時勢に合わせて、全国から参加できるオンライン開催にも対応しています。今必要な学びを、今に合った形式で、提供いたします。
まとめ
本記事では、「シニア層向けキャリアデザイン研修」をテーマにご紹介してきました。
近年、シニア人材の活用に対する注目は高まっており、会社の取り組みとしても重要性が高いです。
普段あまり考えることのないキャリアについて、会社がそのための時間を取ることは、自社の社員にとっても、社会全体にとっても大きなメッセージとなります。
ぜひキャリアデザイン研修について関心のある方は導入をご検討されてみてはいかがでしょうか?
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